商品券を経費で購入したり、取引先や従業員に贈答したりする場面で「消費税はかかるの?」と迷ったことはありませんか。結論から言うと、商品券は購入するときは消費税がかからず、使って買い物をしたときに課税されるという仕組みになっています。この記事では、非課税になる理由から、勘定科目・仕訳の具体例、インボイス制度との関係まで、経理担当者や個人事業主の方が実務でつまずきやすいポイントをまとめて解説します。

商品券に消費税はかかる?結論を先に解説

結論
商品券の購入時は非課税。使ったときに課税されます

商品券やギフトカードは、購入した時点では消費税がかかりません。国税庁が「物品切手等の譲渡は非課税」と明示しているとおりです。消費税が発生するのは、その商品券を使って実際に商品を買ったり、サービスの提供を受けたりした瞬間になります。

「商品券そのもの」と「商品券を使って買うもの」を分けて考えると整理しやすくなります。プライシー編集部としては、下の3ステップで見ていただくのがいちばんイメージしやすいと考えています。

STEP1
商品券を購入する
消費税:かからない
「物品切手等」の譲渡として非課税
STEP2
商品券を保有する
消費税:発生しない
財布や金庫に入れている間は課税イベントなし
STEP3
商品券を使って買い物をする
消費税:ここで課税
購入した商品・サービスの税率が適用される

商品券の購入時に消費税がかからないのはなぜ?

「物品切手等」として非課税とされる仕組み

商品券やギフトカード、プリペイドカードは、消費税法上「物品切手等」というグループに分類されています。物品切手等の譲渡は非課税取引にあたると国税庁のタックスアンサーで説明されており、確定申告書等作成コーナーの解説でも同様の考え方が示されています。

二重課税を防ぐための考え方

なぜ非課税にする必要があるのでしょうか。もし商品券を買った時点で消費税がかかると、その商品券を使って商品を買ったときにもう一度消費税がかかり、同じ1回の買い物に対して二重に課税されてしまうことになります。この二重課税を避けるために購入時点では課税しない、という仕組みだと理解しておくとスッキリします。

ここでいう「商品券」は、百貨店共通商品券のようなものに限りません。クオカードや図書カード、テレホンカードなどのプリペイドカードも「物品切手等」に含まれると国税庁が示しており、消費税の考え方はこの記事の内容と共通です。

商品券を金券ショップなどに売却(換金)する場合も、同じ「物品切手等の譲渡」にあたるため非課税です。ただし額面より低い金額でしか売れないことが多く、その差額は会計上の損失として処理します。

「そもそも商品券がどこで使えるのか、どこで買えるのか」を先に確認しておきたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

商品券の消費税はいつ課税される?

商品・サービス購入時に課税仕入れが発生する

商品券に消費税がかかるのは、実際にその券を使って商品を受け取ったり、サービスの提供を受けたりしたタイミングです。課税仕入れとして計算するときの金額も、商品やサービスの価格そのものではなく、物品切手等の購入に要した金額をもとに計算するとされています。つまり、商品券を額面より安く手に入れていた場合は、実際に支払った金額をベースに消費税を計算することになります。

軽減税率対象品を購入した場合の考え方

商品券そのものには税率の区分がありません。使うときに何を買うかによって、標準税率10%になるか、軽減税率8%になるかが決まります。たとえば商品券で食料品を買えば軽減税率、家電を買えば標準税率が適用される、とイメージしていただくとわかりやすいのではないでしょうか。

商品券の勘定科目は?用途別の一覧表

商品券は「何のために使うか」によって勘定科目が変わります。プライシー編集部で用途別に整理した早見表がこちらです。

用途勘定科目消費税区分
自社用に購入・使用購入時:貯蔵品/他店商品券(資産)
→ 使用時:消耗品費など費用科目へ振替
購入時:非課税
使用時:課税
社外への贈答用接待交際費非課税
従業員への配布福利厚生費 または 給与非課税
売却(換金)現金(受取額)/雑損失(差額)非課税
期末に未使用分が残っている貯蔵品へ振替(資産計上)

「贈答用に商品券を買う」という取引自体は、商品券の購入なので非課税です。一方で、買った商品券を無償で人に渡す「贈与」の部分は、そもそも対価のやり取りがないため消費税の対象外(不課税)という整理になります。実務上は購入時に非課税で処理すれば問題ありません。

実際に商品券を売却するときの買取相場が気になる方は、こちらもチェックしてみてください。

【仕訳例】商品券の会計処理

ここでは、10,000円分の商品券を例に、場面ごとの仕訳をご紹介します。金額は説明用の一例です。

購入したとき(自社用)

借方金額貸方金額
貯蔵品10,000円現金10,000円
消費税:非課税

自社で使用したとき

10,000円分の商品券を使って、標準税率10%の消耗品を購入した場合です。

借方金額貸方金額
消耗品費9,091円貯蔵品10,000円
仮払消費税909円
消費税:課税

取引先に贈答したとき

借方金額貸方金額
接待交際費10,000円現金10,000円
消費税:非課税

従業員に配布したとき

慶弔見舞金として商品券を配布したケースです。

借方金額貸方金額
福利厚生費10,000円現金10,000円
消費税:非課税

決算時に未使用分が残っているとき

贈答目的で購入時に接待交際費として計上していた商品券のうち、5,000円分が期末時点で未使用だったケースです。使った分だけを費用にするため、未使用分は資産(貯蔵品)に振り戻します。

借方金額貸方金額
貯蔵品5,000円接待交際費5,000円

商品券にインボイスは必要?制度との関係を解説

商品券の購入は非課税取引にあたるため、購入時にインボイス(適格請求書)の発行を受ける必要はありません。インボイスが必要になるのは、商品券を使って実際に商品やサービスを受け取り、課税仕入れとして消費税の控除を受けたいときです。この場合は、商品券を使って買い物をしたお店から発行されるレシートや領収書(インボイス)を保管しておく必要があります。

「商品券を購入したときの領収書」と「商品券を使って買い物をしたときのレシート」は役割が違います。消費税の控除に使えるのは後者だけなので、混同しないように保管しておきましょう。

商品券の消費税・経理処理で注意すべきポイント

消費税区分を誤りやすいポイント

もっとも間違えやすいのが、購入時点と使用時点で消費税区分が「非課税」から「課税」に切り替わることに気づかず、どちらも同じ区分で処理してしまうケースです。会計ソフトへの入力時は、貯蔵品として資産計上する購入時は非課税、費用に振り替える使用時は課税、と分けて仕訳することを意識しましょう(弥生の解説でも同様の注意点が挙げられています)。

税務調査で見られやすいポイント

税務調査では、贈答用として交際費に計上した商品券が本当に社外への贈答に使われているか、従業員への配布が福利厚生費として妥当な範囲かどうかがチェックされやすい部分です。誰に・何のために渡したのかがわかる記録を残しておくと安心です。

会費など、商品券以外の勘定科目の選び方に迷うことがある方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

よくある質問(FAQ)

商品券で軽減税率対象の商品を買った場合、消費税はどうなりますか?

商品券自体に消費税の区分はありません。使用時に購入した商品の税率(軽減税率8%または標準税率10%)がそのまま適用されます。

電子マネーへのチャージも商品券と同じように消費税はかかりませんか?

チャージ・購入した時点で消費税がかからない点は商品券と共通していますが、法律上の区分(非課税か不課税か)は決済手段によって異なる場合があります。正確な区分が必要な場合は税理士など専門家に確認することをおすすめします。

自社で発行した商品券を販売した場合の消費税はどうなりますか?
商品券を金券ショップなどで売却(換金)した場合、消費税はかかりますか?

商品券の売却も「物品切手等の譲渡」にあたるため非課税です。ただし換金時は額面より低い金額でしか売れないことが多く、その差額は雑損失として処理するのが一般的です。

まとめ

商品券の消費税・経理処理まとめ

  • 商品券の購入時は消費税が非課税。使って買い物をした瞬間に課税される
  • 非課税なのは「物品切手等」の譲渡として二重課税を防ぐため
  • 勘定科目は用途別(自社用・贈答用・従業員配布・売却・期末未使用)で使い分ける
  • 購入時はインボイス不要。使用時のレシート・領収書を保管しておく
  • 消費税区分は「購入時:非課税→使用時:課税」の切り替わりに注意する

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