クレジットカードを選ぶとき、多くの方が最初に迷うのが「Visa」と「Mastercard」の違いではないでしょうか。どちらも世界的に有名な国際ブランドですが、加盟店数やシェア、使える場所、タッチ決済の名称まで細かな違いがあります。この記事では、VisaとMastercardの違いを比較表でわかりやすく整理したうえで、どちらを選ぶべきかの判断基準、迷ったときの「2枚持ち」という選択肢まで、プライシー編集部がまとめて解説します。

結論
VisaとMastercard、結局どっちを選ぶべき?
海外旅行・出張が多い 世界シェア・対応エリアともに優位なVisaが無難です
コストコ会員 国内コストコの店頭決済に使えるのはMastercardのみです
特にこだわりがない 還元率はブランドではなく発行会社が決めるため、どちらを選んでも大差はありません

Visa・Mastercardとは?国際ブランドの基礎知識

VisaとMastercardは、どちらもクレジットカードの「国際ブランド」と呼ばれる決済ネットワークです。国際ブランドは、世界中の加盟店やATMでカード決済ができるようにする仕組みを提供する会社のことで、私たちが普段目にする楽天カードや三井住友カードなどは、この国際ブランドと提携してカードを発行する「発行会社(イシュア)」にあたります。

つまり「楽天カード Visa」と「楽天カード Mastercard」は、発行会社は同じ楽天カードでも、決済ネットワークだけがVisaかMastercardかで異なる、という関係です。ポイント還元率やサービス内容は基本的に発行会社が決めるもので、国際ブランド自体の違いによって還元率が変わるわけではありません。この点は後ほどFAQでも詳しく解説します。

Mastercardは1940年代後半に米国の複数銀行が発行券を提供したのが始まりとされ、1966年には前身となるInterbank Card Association(ICA)が設立されました。1970年代後半にMasterCard Internationalへ改称し、2002年に欧州の決済会社Europayと合併したことで、現在もヨーロッパでの強さにつながっています。Visaも同じく米国で生まれた国際ブランドで、こちらも銀行系の決済網がルーツです。生まれた背景は近いものの、成長した地域やその後の特典戦略に違いが出てきた、というのが両ブランドの関係性です。

【結論】VisaとMastercardの違い一覧比較表

まずは主要な違いを一覧表で確認してみましょう。加盟店数だけを見るとほぼ差はありませんが、シェアや特典の傾向、コストコなどの利用可否には明確な違いがあります。

項目VisaMastercard
発祥アメリカアメリカ
世界シェア(Nilson Report, 2024年上半期)38.7%約25%
対応国・地域200以上210以上
加盟店数両ブランドとも1億店舗以上でほぼ同水準
タッチ決済の名称Visaのタッチ決済Mastercardコンタクトレス
本人認証サービスVisa SecureMastercard ID Check
海外ATMネットワークPLUSCirrus
地域的な強みアメリカ圏ヨーロッパ圏
国内コストコでの利用不可可能(唯一対応)
特典の傾向海外ホテル予約優待など旅行系グルメ・エンタメ優待

国内シェアの数値は調査元によって差があります。例えばマネ会の調べではVisa55.0%・Mastercard12.0%三井住友カード公式ではVisa60.6%・Mastercard16.4%と、調査時点や集計方法によって10ポイント近い差が出ています。共通しているのは「国内ではVisaが最大シェアで、Mastercardはその1/3〜1/4程度」という傾向なので、正確な最新の割合よりも、この傾向をつかんでおくのがポイントです。

海外旅行でATMから現地通貨を引き出す「海外キャッシング」を使う場合は、対応するATMネットワークの名称も覚えておくと安心です。Visaは「PLUS」というATMネットワークに170カ国以上・100万箇所以上のATMが接続しており、Mastercardは「Cirrus」のマークが表示されたATMで現地通貨を引き出せます。どちらも主要な国際空港や観光地では見つけやすいネットワークです。

タッチ決済の使える場所についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。

Visaの特徴・メリット・デメリット

Visaは世界シェア・日本国内シェアともにNo.1の国際ブランドです。「とりあえず1枚目に選ぶなら」という方に選ばれやすいブランドといえます。

Visaのメリット

  • 使える場所が圧倒的に多い:世界シェア・国内シェアともに最大手なので、「持っているのにお店で使えなかった」という機会が少なくなります
  • 海外旅行・出張に強い:エクスペディアやアゴダ、Booking.comの優待など、旅行関連の特典が充実しています
  • 発行形態のバリエーションが豊富:クレジットカードだけでなく、デビットカードやプリペイドカードなど選択肢が多いのも特徴です

Visaのデメリット

  • 国内コストコで使えない:後述の通り、国内コストコの店頭決済に対応する国際ブランドはMastercardのみのため、コストコ会員の方は注意が必要です

「まずはVisaで探したい」という方は、以下の記事でおすすめカードを目的別に比較しているので参考にしてみてください。

Mastercardの特徴・メリット・デメリット

Mastercardは世界シェア2位の国際ブランドで、ヨーロッパでの強さと、グルメ・エンタメ系の優待に特徴があります。

Mastercardのメリット

  • 国内コストコで使える唯一のブランド:コストコの店頭では現在Mastercardのみが利用できるため、コストコ会員なら1枚は持っておきたいブランドです
  • グルメ・エンタメ優待が充実:高級レストランの優待プログラムなど、日常の楽しみに直結する特典が用意されています
  • ヨーロッパ旅行に強い:2002年に欧州の決済会社Europayと合併した経緯もあり、ヨーロッパ圏での利用に強みがあります

Mastercardのデメリット

  • 国内シェアがVisaよりやや低い:調査によって数値に差はあるものの、いずれの調査でも国内シェアはVisaの1/3〜1/4程度にとどまっており、Visaと比べると「お店で使えなかった」というケースがわずかに起こりやすくなります

「コストコでも使えるカードが欲しい」という方は、以下の記事でMastercard対応のおすすめカードを紹介しています。

VisaとMastercard、どっちを選ぶべき?タイプ別の結論

比較表だけだとイメージしづらいと思うので、よくある利用シーンごとにどちらが向いているかを整理しました。

Visaが向いている人
  • 海外旅行・出張の機会が多い
  • とにかく「使える店の多さ」を重視したい
  • 初めての1枚として定番を選びたい
  • デビットカードやプリペイドカードも検討している
Mastercardが向いている人
  • コストコ会員、またはこれから会員になる予定がある
  • ヨーロッパ旅行の予定がある
  • グルメ・エンタメ系の優待をよく使う
  • 周りと違うブランドであえて2枚目を作りたい

なお、ポイント還元率や年会費はブランドではなく発行会社(カード会社)が決めるため、「還元率で選びたい」という方は、VisaかMastercardかよりも先に、どのカード会社のカードにするかを比較する方が近道です。

迷ったら「2枚持ち」もアリ

「どっちも捨てがたい」という場合は、VisaとMastercardを両方持つのも現実的な選択肢です。三井住友カードの公式サイトでも、複数の国際ブランドを持つメリットとして次のような点が挙げられています。

最近では、1枚のクレジットカードでVisaとMastercardの両方を発行できる「デュアル発行」というサービスも登場しています。三井住友カードのデュアル発行はVisa×Mastercardの組み合わせに対応しており、年会費を抑えながら2つの国際ブランドを持ちたい方に向いています。「1枚をメインカード、もう1枚をコストコ用のサブカードに」といった使い分けをすれば、迷う時間を減らせるはずです。

よくある質問

コストコで使えるのはVisa・Mastercardどっち?

国内コストコの店頭決済に対応しているのは、現状Mastercardのみです。VisaやJCB、American Expressでは店頭での支払いができないため、コストコで買い物をする予定がある方はMastercard対応のカードを1枚用意しておくと安心です。コストコで使える決済方法については、以下の記事でさらに詳しくまとめています。

国際ブランドは後から変更できる?

カード会社によって対応は異なりますが、多くの場合、国際ブランドの変更は既存カードの切り替えではなく、新規カードとしての再発行という扱いになります。手続き方法や条件はカード会社ごとに違うため、変更を検討している場合は契約中のカード会社に直接問い合わせるのが確実です。

VisaとMastercardでポイント還元率は変わる?

基本的に変わりません。ポイント進呈や還元率の設定は国際ブランドではなく発行会社(カード会社)の役割とされており、国際ブランド自体が還元率を左右することはありません。還元率を重視するなら、VisaかMastercardかよりも、どのカード会社を選ぶかで比較するのがおすすめです。

Visa・Mastercard以外の選択肢(JCBなど)はどう考える?

JCBは日本で生まれた唯一の国際ブランドで、国内の加盟店網やアジア圏での優待に強みがあります。まずはVisaかMastercardのどちらかをメインに選び、2枚目・3枚目としてJCBを加えるという考え方も一案です。ブランドごとの強みを組み合わせることで、使えない場面をさらに減らせます。

まとめ:迷ったら「シェア重視ならVisa、コストコ重視ならMastercard」

この記事のポイント

  • 加盟店数はVisa・Mastercardともに1億店舗以上でほぼ互角。ただし国内シェアはVisaが最大手で、Mastercardはその1/3〜1/4程度
  • 国内コストコの店頭決済に使える国際ブランドは、現状Mastercardのみ
  • ポイント還元率はブランドではなく発行会社が決めるため、還元率重視ならカード会社選びを優先する
  • 海外旅行が多いならVisa、コストコをよく利用するならMastercard、迷ったら2枚持ちも現実的な選択肢

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