「ジュニアNISAで投資を始めたけれど、廃止後はどうすればいい?」「そもそも、ジュニアNISAにはどんな落とし穴があるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。ジュニアNISAは2023年末をもって新規投資が終了しましたが、既存の口座は現在も運用が続いています。この記事では、2026年7月時点の最新状況をもとに、ジュニアNISAで注意したいポイントをわかりやすく解説します。

結論
ジュニアNISAで注意したい4つのポイント
①払い出しは全額・口座廃止がセット(一部だけの払い出しは不可)
②18歳到達年末に課税口座に自動移管される(非課税の恩恵が終わる)
損益通算ができない(損失が出ても他口座と相殺不可)
元本割れリスクがある(使う時期が決まっている教育資金との相性に注意)

ジュニアNISAは2023年末で廃止|2026年現在の状況

ジュニアNISAは0〜17歳の未成年者を対象とした少額投資非課税制度で、年間最大80万円まで非課税で投資できる仕組みでした。しかし、利用実績の低さなどを理由に廃止が決定し、2023年12月末をもって新規の買付が終了しました。

2024年以降は新しい投資ができませんが、2023年末までに買付した資産はそのまま保有し続けることができます。現在(2026年7月)の状況を整理すると、次のようになります。

  • 〜2023年12月末
    新規の買付が可能。年間80万円の非課税枠を使って投資できた
  • 2024年〜現在(2026年7月)
    新規買付は不可。既存の保有資産は引き続き非課税で保有できる(売却は可能)。2024年以降は払い出し制限が緩和され、年齢・理由に関わらず非課税で払い出しが行えるようになった
  • 子どもが18歳になる年(各自で異なる)
    年末(12月31日)に保有資産が自動的に課税口座に移管され、非課税の恩恵が終了する
  • 2027年(予定)
    こどもNISAが開始予定。ジュニアNISAの後継制度として設計されている

廃止後も「継続管理勘定」で非課税保有できる

2019年〜2023年に買付した資産は、各年の買付から5年間が非課税期間です。5年が経過しても、お子さんが18歳(1月1日時点)になる前年の12月31日までは「継続管理勘定」に自動的に移管され、引き続き非課税で保有できます。手続きは不要で、自動的に処理されます。

継続管理勘定では新規の買付はできません。保有中の資産を売却することは可能ですが、売却した資金で新たな商品を購入することはできない点に注意してください。

注意点①:払い出しは「全額・口座廃止」がセット

ジュニアNISAの保有資産を18歳になる前に払い出したい場合、必ず全額の払い出し+口座廃止が必要になります。「少しだけ引き出したい」「一部の商品だけ売却したい」というケースには対応していません。これが多くの方にとって使い勝手が悪いと感じる大きな原因のひとつです。

一部だけ引き出すことはできない

ジュニアNISA口座の保有商品をすべて売却または課税口座へ移管し、口座そのものを閉鎖する必要があります。「急に教育費が必要になったので一部を引き出したい」という場合でも、全額まとめて動かすか、そのまま保有し続けるかの2択になります。

払い出し後は口座が廃止になる

口座を閉鎖した後は、再度ジュニアNISA口座を開設することはできません(制度が廃止されているため)。また、2024年以降は払い出しをしても遡って課税されることはなく、非課税のまま払い出しができます。以前は払い出し制限があり違反すると課税されましたが、その点は緩和されています。

手続きに注意:口座の廃止手続きは書面での申請が必要です。オンラインだけでは完結しない金融機関も多いため、早めに各証券会社・銀行に確認しておきましょう。

注意点②:18歳到達年末で自動的に課税口座に移管

意外と見落としがちなのが、18歳(1月1日時点で18歳になる年の12月31日)を迎えると、保有資産が自動的に課税口座(特定口座または一般口座)に移管されるという点です。この移管は手続き不要で自動的に行われます。

非課税のまま売却できる最後のタイミング

お子さんが18歳になる年の12月31日が、ジュニアNISA口座内で非課税のまま売却できる最後のタイミングです。この期日までに売却すれば、売却益に税金はかかりません。期日を過ぎて課税口座に移管された後に売却すると、移管後の値上がり分に約20%の税金がかかります。

課税口座移管後の「取得価額」に注意

課税口座に移管される際の取得価額は、移管時(18歳の前年12月31日)の時価になります。これは重要なポイントです。

ケース 購入額 移管時の時価 課税口座での取得価額 課税対象
含み益あり 80万円 120万円 120万円 移管後の値上がり分のみ(移管時の利益は非課税)
含み損あり 80万円 60万円 60万円 移管後の値上がり分(損失は課税口座で引き継がれない)

含み益がある場合は、移管時に時価が取得価額にリセットされるため、移管後の値動きにしか課税されません。ジュニアNISA口座内で積み上げた含み益は非課税のまま引き継げます。一方、含み損がある場合は損失が引き継がれず、課税口座で「60万円で買ったもの」として扱われてしまいます。

移管された成人NISA口座(新NISA)への商品の自動移行はできません。引き続き非課税で運用したい場合は、一度売却して新NISAで買い直す必要があります。

注意点③:損益通算ができない

ジュニアNISA口座で発生した損益は、他の課税口座(特定口座・一般口座)の損益と損益通算ができません。これは通常のNISA全般に共通する仕様ですが、教育資金として大切に積み立てた資産だけに、損失が出たときのダメージが大きく感じられることがあります。

損失が出ても他の利益と相殺できない

たとえば、ジュニアNISA口座で20万円の損失が出た場合、特定口座で30万円の利益があったとしても、それらを相殺することはできません。特定口座の30万円の利益に対しては、通常通り約20%の税金がかかります。

一方で、ジュニアNISA口座内の利益は非課税のため、税制上はそもそも損益通算の対象外という位置づけです。メリットとデメリットが裏表になっている仕組みといえるでしょう。

損失が出た場合の対処法

損失が出てしまった場合にできる主な対処法は次の2つです。

  • 長期保有を続ける:価格が回復するまで保有し続け、非課税期間内にプラスになってから売却する
  • 損失確定して課税口座で買い直す:ただし、課税口座での損失には損益通算が使える(3年間の繰越控除も可能)

注意点④:元本割れリスクと教育資金の相性問題

ジュニアNISAで投資できる商品は株式や投資信託などで、元本保証はありません。学資保険のように「決まった金額が必ず戻ってくる」ものではなく、市場の動きによっては元本を下回る可能性があります

使う時期が決まっているお金への投資リスク

教育資金は「大学入学時(18歳前後)に必要」というように使う時期が明確です。これが投資との相性で悩ましいポイントです。相場の下落が18歳前後にたまたま重なってしまうと、「必要なタイミングで資産が目減りしている」という状況になりかねません。

長期投資では時間をかけて価格が回復することが期待できますが、使う期日が固定されている資金はその「回復を待つ」選択肢が取りにくいのです。これはジュニアNISAに限らず、教育資金への投資全般に共通するリスクです。

学資保険との根本的な違い

比較項目 ジュニアNISA(廃止済み) 学資保険
元本保証 なし(投資リスクあり) あり(返戻金は確定)
リターンの可能性 高い(相場次第) 低め(返戻率が限定的)
非課税 運用益が非課税 基本的に課税対象
途中解約 柔軟(ただし全額解約) 損が出ることが多い
死亡保障 なし あり

どちらが優れているとは一概には言えません。「確実に積み立てたい」なら学資保険、「リターンを狙いつつリスクも許容できる」なら投資という使い分けが考えられます。

持ち続けるべき?今すぐ払い出すべき?判断の考え方

現在ジュニアNISA口座に残高がある方にとって、最大の悩みは「このまま保有し続けるべきか、それとも今すぐ払い出すべきか」ではないでしょうか。状況別の考え方をまとめました。

保有継続を検討すべきケース
  • 含み益が出ている
  • 子どもの年齢が10歳以上でまだ余裕がある
  • 18歳まで資金が不要な見込み
  • 長期的な資産形成を優先したい
払い出しを検討すべきケース
  • 含み損が大きく回復見込みが薄い
  • 子どもが15歳以上で教育費が迫っている
  • 急な出費が生じた
  • 他の資金計画と統合して管理したい

含み益がある場合

含み益がある場合は、18歳の前年12月31日まで保有し続けることで非課税の恩恵を最大化できます。売却するなら18歳の前年末(非課税期間の最後)までに行いましょう。課税口座に移管されるとその後の利益には税金がかかります。

含み損がある場合

含み損がある場合は状況がやや複雑です。損益通算ができないジュニアNISAで損失を抱えたままでは恩恵がありません。長期的に回復が見込めるなら保有継続、回復が難しそうなら売却して課税口座で買い直し(損益通算を活用)という選択肢があります。ただし、これは各家庭の状況や相場観によって異なるため、ファイナンシャルプランナーなどへの相談も一手です。

子どもの年齢別の考え方

子どもの年齢によって、取るべき行動は大きく変わります。以下を目安にしてください。

年齢の目安 状況 推奨アクション
0〜10歳 18歳まで8年以上の余裕がある 基本は保有継続。含み損でも長期回復に期待できる。2027年開始のこどもNISAを視野に入れて資金計画を立てておく
11〜14歳 教育費の使用時期が射程に入り始める 含み損益を定期確認し始める。含み損が大きい場合は今のうちに売却→課税口座で買い直しも選択肢。含み益なら継続保有でOK
15〜17歳 18歳到達年末まで3年以内 売却・払い出しのスケジュールを確定させる。非課税で売却できるのは18歳の前年12月31日が最後。高校〜大学の費用が必要なら、逆算して計画的に払い出す

18歳を迎える年の12月31日が非課税の最終期限です。この日を過ぎると自動的に課税口座に移管されます。売却を検討している場合は早めに動きましょう。

後継の「こどもNISA」(2027年開始予定)との比較

ジュニアNISAの後継制度として、2027年1月から「こどもNISA」が開始予定です(2026年税制改正大綱に盛り込まれています)。ジュニアNISAとの違いを把握しておくと、今後の資金計画に役立ちます。

ジュニアNISAとこどもNISAの主な違い

比較項目 ジュニアNISA(廃止済み) こどもNISA(2027年〜予定)
対象年齢 0〜17歳 0〜17歳
年間投資枠 80万円 60万円
非課税保有限度額 最長5年(継続管理勘定で延長可) 600万円・無期限
投資対象 株式・投資信託・ETFなど幅広く 投資信託のみ(個別株は対象外)
払い出し 原則18歳まで制限あり(廃止後は緩和) 12歳以降は子の同意で払い出し可能
18歳以降 課税口座に移管 通常NISAのつみたて投資枠に自動移行

こどもNISAはジュニアNISAと比べて、非課税保有期間が無期限になった点と18歳以降に通常NISAへシームレスに引き継ぎできる点が大きく改善されています。一方、年間投資枠が80万円から60万円に下がり、投資対象も投資信託に限定されます。

今できる準備

2026年7月現在、こどもNISAはまだ開始前です。今のうちにできる準備としては次のようなことが考えられます。

  • 現在のジュニアNISA口座の資産状況を確認し、18歳までのスケジュールを把握する
  • こどもNISA開始後に口座開設が殺到することが予想されるため、事前に金融機関を検討しておく
  • ジュニアNISA口座の資産は、こどもNISAへ直接移管はできないため、売却→新規購入が必要になる点を覚えておく

こどもNISAの制度詳細(口座開設の手続き方法・対応金融機関など)は2026年7月時点でまだ確定していない部分があります。最新情報は金融庁や各金融機関の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

ジュニアNISAは今からでも始められますか?

いいえ、始められません。ジュニアNISAは2023年12月末をもって新規買付が終了しており、現在は新たにジュニアNISA口座を開設して投資することはできません。2027年からはこどもNISAが開始予定ですので、それをご検討ください。

ジュニアNISA口座は自動的に解約されますか?

自動的には解約されません。18歳(1月1日時点)になると、その年の12月31日に保有資産が自動的に課税口座(特定・一般口座)に払い出しされ、ジュニアNISA口座は閉鎖されます。18歳前に自分で払い出したい場合は、金融機関に書面での廃止手続きを行う必要があります。

こどもNISAはいつから申し込めますか?

こどもNISAは2027年1月開始予定です(2026年7月時点の情報)。口座開設の受付開始時期は各金融機関によって異なりますが、開始直後は申し込みが集中することが予想されます。金融庁や各金融機関の公式発表をこまめにチェックしておきましょう。

ジュニアNISAで損失が出た場合、税金はどうなりますか?

ジュニアNISA口座内の損益は非課税扱いのため、他の課税口座の損益との損益通算はできません。損失が出た場合、その損失を使って特定口座の利益から税金を減らすことはできません。また、損失の繰越控除も利用できません。

ジュニアNISAの残高はこどもNISAに移せますか?

直接の移管はできません。ジュニアNISAで保有している資産を一度売却し、こどもNISA口座で新たに買い直す必要があります。この際、売却のタイミングによってはジュニアNISA口座内の非課税期間内に売却することで非課税のまま現金化できます。

まとめ:ジュニアNISAで注意したいポイント

チェックリスト

  • 払い出しは全額・口座廃止がセット。一部だけ引き出すことはできない
  • 18歳到達年末に課税口座に自動移管。非課税で売却するなら前年末までに
  • 損益通算ができない。損失が出ても他口座の利益との相殺は不可
  • 教育資金は使う期日が決まっているため、元本割れリスクとの相性に注意
  • ジュニアNISAの残高はこどもNISAへ直接移管不可。売却→買い直しが必要
  • 2027年こどもNISA開始予定(年60万円・非課税無期限・18歳後に通常NISAへ自動移行)

ジュニアNISAは廃止されましたが、既存口座の資産は子どもが18歳になるまで非課税で保有し続けることができます。「いつ売るか」「払い出すかどうか」の判断は、含み損益の状況や子どもの年齢によって変わってきます。焦って動く必要はありませんが、18歳の前年末という期限を意識しながら、早めにスケジュールを立てておくと安心です。

なお、「ジュニアNISAに代わる手段を探したい」という方は、親名義の新NISA(つみたて投資枠)を活用して子ども名義のお金を親が積み立てる方法、元本が保証される学資保険、あるいは未成年の特定口座(損益通算できる)などが選択肢です。2027年からは後継制度「こどもNISA」も始まる予定なので、それまでの間どう動くかを考えておくとよいでしょう。

価格の変動をスマホで簡単チェック

プライシーは投資信託・ETFの価格推移をひと目で確認できるアプリです。ポートフォリオの管理や値動きのチェックにぜひご活用ください(iOS / Android対応)。

プライシーを無料でダウンロード