東京ガスが2026年4月27日に発表したガス料金の改定。基本料金の値上げは実に46年ぶりとなり、東京ガスを契約している方にとっては「自分の家庭にどんな影響があるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。この記事では、値上げの内容・時期・理由、そして家庭への影響額の目安と節約対策をわかりやすく解説します。
東京ガスのガス料金 値上げはいつから?改定の概要
東京ガスは2026年4月27日、ガス料金の改定を正式に発表しました。46年ぶりとなる基本料金の引き上げがいつから、どのくらい行われるのか確認しておきましょう。
適用開始日と対象プラン
値上げの適用は2026年10月1日(2026年11月検針分)からです。検針分とは、実際のガスを使用した月(10月使用分)の翌月に検針・請求される分を指します。つまり、10月に使ったガスの料金から新しい料金が適用されます。
対象となる料金プランは以下のとおりです。
- 一般料金(一般ガス供給約款)
- ずっともガス契約
- 家庭用高効率給湯器契約《湯ったりエコぷらん》
- 家庭用ガス温水床暖房契約《暖らんぷらん》
- 家庭用コージェネレーションシステム契約《エコウィルで発電エコぷらん》
- 家庭用燃料電池契約《エネファームで発電エコぷらん》
これらのプランを契約している方が対象となります。法人・個人事業主向けの選択約款も別途値上げが予定されています。
値上げ前後の料金比較(東京地区等・群馬地区)
具体的な値上げ額をまとめました。
| 地区 | 項目 | 改定前 | 改定後 | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| 東京地区等 | 基本料金 | - | +150円/月 | +150円 |
| 単位料金 | - | +0.02円/m³ | +0.02円 | |
| 東京地区等標準家庭(30m³) | 月額ガス料金 | 5,734円 | 5,884円 | +150円(約2.6%) |
| 群馬地区 | 基本料金 | - | +150円/月 | +150円 |
| 基準単位料金 | - | +2.52円/m³ | +2.52円 | |
| 群馬地区標準家庭(36m³) | 月額ガス料金 | 6,669円 | 6,910円 | +241円 |
上記の料金は2026年4月検針分時点の原料費調整額を含んで計算した参考値です。実際の請求額は毎月変動する原料費調整額の影響を受けるため、月によって異なります。
今回の改定で変わるのは料金だけではありません。払込手数料(銀行・コンビニ払い等の手数料)も2026年11月検針分から改定されます。詳細な金額や対象の支払い方法は東京ガス公式プレスリリースでご確認ください。口座振替やクレジットカード払いを利用している方は手数料の影響を受けにくいため、支払い方法の確認もこの機会に行っておくとよいでしょう。
なぜ46年ぶりの値上げ?3つの理由を解説
1980年以来となる今回のガス基本料金の値上げ。なぜこのタイミングで見直しが行われたのでしょうか。東京ガスが挙げる主な理由は以下の3点です。
①人件費・資機材コストの高騰
コールセンターや保安業務など、ガス事業の維持に不可欠な人員にかかる人件費が大幅に上昇しています。また、設備の修繕・更新に使う資材・機材のコストも物価上昇の影響を大きく受けています。こうした固定費の増加が、今回の値上げの主因のひとつです。
②ガス販売量の減少
省エネ技術の普及やオール電化住宅の増加により、家庭でのガス使用量は年々減少傾向にあります。売上が減る一方でインフラの維持コストは下がらないため、1契約あたりの固定費負担が増加していました。東京ガスはこの販売量の減少も値上げの理由として挙げています。
③LNG基地の設備修繕費上昇
液化天然ガス(LNG)の受入・貯蔵・気化を行うLNG基地は、老朽化に伴う修繕が定期的に必要です。この修繕費が近年増加しており、事業コストを押し上げる要因となっています。
実は「値下げ方向」に働く変更もあります
今回の改定には、一般的に報じられている「基本料金+150円」の値上げのほかに、もう一つ重要な変更が含まれています。それが「原料費調整制度における基準平均原料価格の引き上げ」です。
基準平均原料価格とは、毎月の料金に自動加算される「原料費調整額」を計算するときの基準となる値。今回この基準が57,250円/トンから86,100円/トンへ大幅に引き上げられます。
原料費調整額は「実際の原料価格 ー 基準価格」の差分で決まるため、基準が高くなると調整額のプラス分が縮小し、結果的に「原料費調整額の上乗せが小さくなる=請求額が下がる方向に働く」ことになります。現在(2026年5月時点)のLNG価格(約87,000〜88,000円/トン程度)では、この効果により原料費調整額の増加が大幅に抑制されます。
つまり、表面上は「基本料金+150円の値上げ」ですが、原料費調整の基準価格変更の恩恵を合算すると、現在の市場価格水準では実際の請求増加額は150円よりも大幅に小さくなる可能性があります。東京ガスが「影響額は月150円」と説明しているのもこの計算が含まれているためです。LNG価格が今後大幅に上昇すると、この緩和効果は薄れます。
家庭への影響はいくら?世帯別シミュレーション
「実際に毎月いくら増えるの?」という疑問にお答えします。東京地区等の場合、基本料金が+150円、単位料金が+0.02円/m³の値上げですので、世帯によって影響額を試算してみました。
(約15m³/月)
(約30m³/月)*標準
(約45m³/月)
上記はあくまでも試算です。実際の増加額は原料費調整額の変動により異なります。ポイントは、単位料金の引き上げ(+0.02円/m³)は非常に小さく、実質的な影響はほぼ全世帯で月150円という形で均一であることです。使用量が多い家庭でも少ない家庭でも、基本料金の上昇分がメインの影響となります。
年間1,800円は「缶コーヒー1本/週」相当。1回の出費としては少額ですが、積み重なると無視できない金額です。今回をきっかけに、ガス代・電気代の全体的な節約を見直してみましょう。
東京ガスの電気料金値上げはいつから?ガスとの合計影響額
実は、東京ガスは電気料金についてもすでに値上げを行っています。ガス代と電気代、両方の値上げを合わせて把握しておきましょう。
2025年3月からの電気料金改定の概要
東京ガスの電気料金(基本プラン等)は、2025年2月使用分(3月検針分)から改定されました。基本料金が約5%、電力量料金(特に301kWh以上の第3段階)が約2.02円/kWh引き上げられています。30A・260kWh使用の場合、月額約65円の増加です。
値上げの主な理由は、容量市場制度・高度化法・託送料金改定など電力事業に関わる制度変更への対応です。燃料費の高騰とは別の、インフラ維持コスト的な要因が大きいとされています。
ガス+電気の合計影響額の目安
| 項目 | 値上げ時期 | 月額増(目安) | 年間増(目安) |
|---|---|---|---|
| ガス料金(基本料金) | 2026年10月〜 | +150円 | +約1,800円 |
| 電気料金(30A・260kWh) | 2025年3月〜 | +65円 | +約780円 |
| 合計(目安) | 2026年10月以降 | +215円前後 | +約2,580円前後 |
東京ガスで電気もガスも契約している家庭では、年間で2,500〜3,000円程度の光熱費増が想定されます。この機会に、ガス・電気それぞれの契約内容を見直すことを検討してみてはいかがでしょうか。
東京ガス値上げへの対策・節約術
値上げに備えて、できることから取り組みましょう。大きく「日常の使い方を見直す」「暖房器具を電気系にシフトする」「料金プランを見直す」の3つのアプローチがあります。
日常のガス代節約ポイント
- シャワーの時間を短くする:給湯はガス消費の大きな要因。1分短くするだけでも効果があります
- お風呂の追い焚きを減らす:追い焚きは温め直しのためガスを多く消費します。保温シートの活用もおすすめです
- 調理時の火力を適切に:鍋底から炎がはみ出さない強さで十分です。蓋をして調理時間を短縮するのも効果的
- 風呂の湯量を適量に調節:必要以上にお湯を張らないことで、ガス使用量を抑えられます
- ガス器具の定期清掃:燃焼効率を保つために、コンロのバーナーなどを清潔に保ちましょう
ガス暖房から電気暖房へのシフトを検討する
冬場のガス代節約として、ガスファンヒーターをメイン暖房に使っている家庭では、電気系の暖房器具を補助的に活用することで、ガス消費量を減らせる場合があります。特にセラミックヒーターや電気毛布は、局所暖房として足元や個人スペースを効率よく暖めることができます。
プライシーでは省エネ暖房器具の価格推移もチェックできます。値下がりのタイミングを見極めて購入するのがおすすめです。
ガス会社・電力会社の乗り換えを検討する
都市ガスは地域の一般ガス事業者(東京ガス等)との契約が基本ですが、ガスの自由化により新電力会社が提供するガスプランへの切り替えも可能です。また、電力については新電力会社への切り替えで年間数千円以上の節約ができるケースもあります。
住宅省エネに関する補助金制度も活用できる場合があります。窓の断熱改修や省エネ機器の導入と組み合わせることで、長期的にガス代・光熱費を削減できます。
よくある質問
政府の「電気・ガス料金負担軽減支援事業」は開催・終了を繰り返しており、2026年10月以降の継続については本記事執筆時点(2026年5月)で正式な発表はありません。最新情報は資源エネルギー庁の公式サイトや東京ガスの「政府補助金のご案内」ページをご確認ください。補助金が適用される期間は実際の請求額がさらに低くなります。
はい、別の仕組みです。原料費調整制度は、LNGなどの燃料価格の変動を毎月の料金に自動的に反映させる仕組みで、毎月ガス料金の増減が生じます。今回の値上げは、人件費・修繕費などの固定コスト増加に対応した「基準料金(基本料金・単位料金)」の引き上げで、制度上は別のレイヤーです。なお、今回の改定では原料費調整の基準平均原料価格も変更されており、実際の請求額への影響は複合的になります。
群馬地区は基本料金の+150円に加え、基準単位料金が1m³あたり+2.52円引き上げられます(東京地区等は+0.02円)。そのため、標準家庭(36m³/月)では月241円の増加と、東京地区等(標準家庭30m³で月150円増)よりも大きな影響となります。地区ごとにインフラコストや販売量の状況が異なることが背景にあります。
はい、賃貸住宅でも東京ガスの都市ガスを契約しているガス料金は値上げの対象となります。ガスの料金は契約者(入居者)と東京ガスの直接契約が基本のため、物件のオーナーや管理会社を経由している場合でも、対象プランを契約しているのであれば同様に改定されます。ただし、プロパンガス(LPガス)契約の場合は今回の改定は関係しません。
はい、「ずっともガス契約」も今回の値上げ対象プランに含まれています。公式プレスリリースに明記されており、2026年11月検針分(10月使用分)から適用となります。
この記事のまとめ
- 東京ガスのガス料金値上げは2026年10月1日(11月検針分)から。基本料金が月150円アップ
- 1980年以来46年ぶりの値上げ。主な理由は人件費・資材コストの高騰とガス販売量の減少
- 標準家庭への影響は月約150円・年間約1,800円の増加(東京地区等)
- 電気料金は2025年3月検針分からすでに値上げ済み。ガス・電気合計で年間約2,500〜3,000円増が目安
- 対策は「使い方の見直し」「暖房器具の電気系シフト」「料金プランの見直し」の3つが有効
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