ドラッグストアの整腸剤コーナーで「ビオスリー」と「ビオフェルミン」、どっちを買えばいいか迷いますよね。同じ整腸剤でも配合菌が違うため、症状や状況によって相性が変わります。本記事ではアリナミン製薬・大正製薬それぞれの公式情報と薬剤師の見解をもとに、2製品の違いと選び方をまとめました。

結論
ビオスリーとビオフェルミン、どっちがいい?

2製品を直接比較した臨床試験はなく、効能(整腸・便秘・軟便・腹部膨満感)はほぼ同じです。違いが出るのは「配合菌」「抗生物質との併用可否」「価格」の3点。状況別の最短ルートは以下のとおりです。

抗生物質と併用中 ビオスリーHi錠(芽胞形成菌が抗生物質に耐性あり)
普段の腸活・コスパ重視 新ビオフェルミンS錠(1錠あたり約7〜9円で続けやすい)
片方で効かないとき 2週間試して合わなければもう一方を試す

ビオスリーとビオフェルミンの違い早見表

まずは2製品の基本スペックを並べてみます。「効能」と「服用可能年齢」は同じですが、配合菌・抗生物質との併用・価格に差があります。

項目 ビオスリーHi錠 新ビオフェルミンS錠
販売元 アリナミン製薬
(タケダブランド)
大正製薬
(ビオフェルミン製薬)
分類 指定医薬部外品 指定医薬部外品
配合菌(成人1日量) 酪酸菌150mg
乳酸菌30mg
糖化菌150mg
ビフィズス菌18mg
フェーカリス菌18mg
アシドフィルス菌18mg
効能 整腸・便秘・軟便・腹部膨満感 整腸・便秘・軟便・腹部膨満感
服用可能年齢 5歳以上(錠剤)
3か月〜(散剤H)
5歳以上(錠剤)
3か月〜(細粒)
1日服用回数 3回・成人2錠 3回・成人3錠
抗生物質と併用 ○(耐性あり) ×(耐性なし)
妊娠・授乳中 服用可能 服用可能
1錠あたり目安 約13〜14円(希望小売) 約7〜9円(希望小売)

整腸剤の主役である「配合菌の違い」が、選び方を分けるいちばんの判断材料です。次のセクションで詳しく見ていきましょう。

配合菌の違いがいちばん大きな差

2製品の決定的な違いは、配合されている善玉菌の種類と腸内での働き方です。同じ「整腸剤」でも、菌が違えば腸へのアプローチが変わります。

ビオスリーは「酪酸菌・乳酸菌・糖化菌」の3種共生

ビオスリーHi錠には酪酸菌・ラクトミン(乳酸菌)・糖化菌の3種が配合されています。それぞれが互いの増殖を助け合う「トリプル共生処方」が特徴です。

酪酸菌(大腸に定着)
働き:食物繊維を分解して短鎖脂肪酸の「酪酸」を産生。大腸の粘膜を強化する。

芽胞(バリア構造)を形成するため、胃酸や抗生物質に耐性があり、生きたまま大腸に届きます。

糖化菌(小腸上部に定着)
働き:デンプンを分解して糖を作り、乳酸菌の増殖をサポートする。

糖化菌も芽胞形成菌のため胃酸・抗生物質に強いタイプです。

乳酸菌(小腸下部〜大腸に定着)
働き:乳酸を産生して腸内のpHを酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑える。

糖化菌が作った糖を取り込みやすく、3種が連携して腸内環境を整えるイメージです。

ビオフェルミンは「ビフィズス菌+乳酸菌2種」が腸内全体をカバー

新ビオフェルミンS錠にはビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌の3種が配合されています。さらに上位ラインの「新ビオフェルミンSプラス錠」にはロンガム菌が追加された4種構成です。

ビフィズス菌(大腸に定着)
働き:大腸で乳酸と酢酸を産生し、悪玉菌の増殖を抑える。

大腸内の善玉菌の99.9%はビフィズス菌が占めるとされる主役級の菌です。

フェーカリス菌・アシドフィルス菌(小腸に定着)
働き:小腸で乳酸を産生し、腸内環境を酸性に保つ。

小腸〜大腸まで複数の定着部位をカバーするのがビオフェルミンの強みです。

補足:ロンガム菌入りの「Sプラス錠」とは

「新ビオフェルミンSプラス錠」には、3種に加えて酢酸産生に優れたロンガム菌が配合されています。ただし、ロンガム菌の追加で必ずしも有効性に差が出るわけではないと薬剤師見解で示されています。

医療用と市販品は別物?

病院で処方される「ビオスリー配合錠」「ビオフェルミン配合散・R錠」と、ドラッグストアで買える「ビオスリーHi錠」「新ビオフェルミンS錠」は、有効成分こそ近いですが製品としては別ラインです。特に医療用の「ビオフェルミンR錠」は抗生物質と併用できる耐性乳酸菌を配合しており、市販品とは設計が異なります。ご自身が処方されている薬と市販品を混同しないようご注意ください。

「3種共生」と「腸内全体カバー」、結局どう違う?

ビオスリーは菌同士の助け合いでじわじわ環境を整えるタイプ、ビオフェルミンは定着部位の異なる複数菌で腸内全体をカバーするタイプ、と整理できます。どちらも「善玉菌を増やして腸内フローラを整える」というゴールは同じで、アプローチの違いと考えてください。

効果に差はあるのか|直接比較した臨床試験はない

「結局どっちが効くの?」が一番気になるところですが、結論は効果に差はない(と考えられる)です。

ビオスリーとビオフェルミンを直接比較した大規模な臨床試験は行われていません。EPARKくすりの窓口で薬剤師の青島周一氏が「理論上、どちらを選んでも実感できる効果に差はないように思う」と回答しているとおり、効能(整腸・便秘・軟便・腹部膨満感)も同じです。

大事なのは「自分の腸との相性」

腸内フローラは人によって菌の構成が違います。ビオスリーが効きやすい人、ビオフェルミンが効きやすい人、というのは個人差で発生し得ます。2週間ほど試して、合わなければもう一方に切り替えるのが現実的な使い方です。

どっちを選ぶ?症状・状況別の判断フロー

「効果に差はない」とはいえ、状況によって相性が変わる場面があります。以下の判断フローを参考にしてみてください。

1
抗生物質を一緒に飲んでいる?
YESならビオスリー。酪酸菌・糖化菌が芽胞形成で抗生物質に耐性があるため、菌が死なずに腸まで届きます。ビオフェルミンの菌は耐性がなく、抗生物質と一緒に飲むと効果が落ちます。
2
普段の腸活・続けやすさ重視?
YESなら新ビオフェルミンS錠。CMでもおなじみの定番で、大容量(540錠)が入手しやすく1錠あたりのコストが安いため、毎日飲み続けやすい選択です。
3
慢性的な軟便・下痢が続く?
どちらでも構いませんが、酪酸菌(大腸粘膜の強化)に期待するならビオスリー、ビフィズス菌中心の腸内フローラ改善を狙うならビオフェルミン。1ヶ月以上改善しなければ医療機関の受診を検討してください。
4
片方を試して効果が出ない?
2週間飲み続けても変化がなければ、もう一方を試してみる価値があります。腸内環境は人によって違うため、菌の相性が合うかどうかは試してみないとわかりません。
ビオスリーが向く人
  • 抗生物質と併用したい
  • 大腸粘膜の強化を狙いたい
  • 3種共生のアプローチに惹かれる
  • 胃酸の影響を受けにくい菌が良い
ビオフェルミンが向く人
  • とにかく続けやすさ重視(コスパ)
  • 大容量で買い置きしたい
  • 定番の安心感を取りたい
  • 赤ちゃんから家族で使いたい

価格を比較|ビオフェルミンの方が1錠あたり安い

2製品はメーカー希望小売価格・1錠あたりコストで明確な差があります。ビオフェルミンの方が1錠あたり3〜5円ほど安く、大容量で買うほど差が広がります。

製品 容量 希望小売(税込) 1錠あたり
新ビオフェルミンS錠 130錠 1,125円 約8.6円
新ビオフェルミンS錠 350錠 2,602円 約7.4円
新ビオフェルミンS錠 540錠 3,812円 約7.1円
ビオスリーHi錠 42錠 1,078円
※税抜980円
約25.7円
ビオスリーHi錠 180錠 2,508円
※税抜2,280円
約13.9円
ビオスリーHi錠 270錠 3,498円
※税抜3,180円
約12.9円

価格はメーカー希望小売価格を基準にしているので、ドラッグストアやEC(Amazon・楽天など)の実勢価格はさらに値引きされていることが多いです。1日3回・成人量で計算すると、毎日服用した場合のコスト差は1ヶ月で500〜800円程度になります。

副作用・安全性は両者ほぼ同等

ビオスリー・ビオフェルミンとも健常者では副作用の心配はほぼありません。配合されている善玉菌は腸で働くのみで、体内に吸収されることもまれです。

注意が必要なケース

EPARKくすりの窓口の薬剤師解説によると、以下の場合のみ事前に医師・薬剤師への相談が推奨されます。

  • 免疫機能が極端に低下している方(治療中・基礎疾患あり)
  • 免疫抑制剤を服用中の方(リウマチ等)
  • ステロイドなど免疫抑制作用のある薬を長期服用中の方

これらに該当する場合、ごくまれに乳酸菌などによる菌血症のリスクが報告されているためです。とはいえ発生頻度は極めて低く、健常者であれば心配は不要です。

飲み続けても問題ない?

整腸剤は長期服用しても効果が弱まったり、くせになることはありません。毎日服用しても問題ない設計です。ただし、1ヶ月以上飲んでも症状が改善しない場合は、隠れた病気の可能性もあるため医療機関を受診してください。

子ども・妊娠中・授乳中も飲める

整腸剤は家族みんなで使える設計の医薬部外品。年齢・状況の対応はビオスリー・ビオフェルミンともほぼ同じです。

対象 ビオスリー ビオフェルミン
5歳以上(錠剤) ○ Hi錠 ○ 新ビオフェルミンS錠
生後3か月〜(散剤・細粒) ○ ビオスリーH ○ 新ビオフェルミンS細粒
妊娠中 ○ ○
授乳中 ○ ○
高齢者 ○ ○

赤ちゃんに飲ませる場合は、必ず散剤・細粒タイプを選びましょう。錠剤タイプ(5歳以上)と粒の形状が違います。乳幼児に錠剤を粉砕して飲ませるのは誤嚥のリスクがあるため、最初から散剤を選ぶのが安全です。

2週間ほど飲み続けて効果を判断するのが目安

整腸剤はすぐに効果が出る薬ではありません。腸内フローラの改善には時間がかかるため、2週間程度の継続服用を目安にしてください。

効果が出ない・出にくいときのチェック

  1. 用法用量を守れているか:ビオスリーHi錠は1日3回・各2錠、新ビオフェルミンS錠は1日3回・各3錠が成人量です
  2. 食後に飲んでいるか:両者とも食後の服用が指定されています
  3. 食事内容:オリゴ糖(はちみつ、きなこ)や食物繊維(きのこ、海藻、豆類)は善玉菌のエサになり、整腸剤の効果を後押しします
  4. 1ヶ月以上改善しない場合:別の疾患が隠れている可能性もあるため、医療機関の受診を検討してください
片方が効かないときは「もう一方」を試す

2週間試して変化がなければ、配合菌の異なるもう一方を試す価値があります。腸内フローラは個人差が大きいため、菌の相性が合うかどうかは飲んでみないとわからないのが正直なところです。

よくある質問(FAQ)

ビオスリーとビオフェルミンを併用しても大丈夫?

併用は可能ですが、効果が高まるという科学的根拠はありません。配合菌は異なるものの、目的は同じ「腸内フローラの改善」です。コスト面でも、まずは片方を2週間試してから判断することをおすすめします。

牛乳と一緒に飲んでもOK?

問題ありません。牛乳と一緒に飲んでも整腸剤の効果が落ちることはなく、逆に効果が高まることもありません。水・ぬるま湯・牛乳のいずれでも服用OKです。

飲み続けても副作用はない?

健常者では長期服用しても副作用の心配はほぼありません。整腸剤は「くせになる」「効果が弱まる」といった性質もないため、毎日服用して問題ない設計です。ただし、免疫機能が低下している方や免疫抑制剤を服用中の方は事前に医師・薬剤師にご相談ください。

ビオスリーHi錠とビオスリーHの違いは?

配合菌・成分は同じで、剤形が違うだけです。Hi錠は錠剤タイプ(5歳以上)、Hは散剤タイプ(生後3か月から服用可能)。乳幼児や錠剤が飲みにくい方は散剤のHを選んでください。

新ビオフェルミンSと新ビオフェルミンSプラスの違いは?

新ビオフェルミンSは3種菌(ビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌)、Sプラスはそれにロンガム菌を加えた4種菌構成です。ロンガム菌は酢酸産生に優れますが、効能・効果に大きな差はないと公式・薬剤師見解で示されています。価格はSプラスの方がやや高めです。

どれくらいで効果が出る?

個人差はありますが、2週間程度の継続服用が判断の目安です。腸内フローラの改善には時間がかかるため、すぐに効果が出ないからと中止せず、まずは2週間続けてみましょう。1ヶ月以上飲んでも変化がなければ医療機関の受診も検討してください。

まとめ|症状・状況で選び、合わなければもう一方を試す

  • ビオスリーとビオフェルミンを直接比較した臨床試験はなく、効能はほぼ同じ
  • 違いが出るのは「配合菌」「抗生物質との併用」「価格」の3点
  • 抗生物質と併用するならビオスリー、続けやすさ・コスパ重視ならビオフェルミン
  • 2週間試して効果がなければ、配合菌の異なるもう一方を試してみる
  • 子ども・妊娠中・授乳中も両者ともに服用可能(散剤・細粒は3か月から)

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